オオカミヤローに捕らわれて
その子が抱き合ったまま“もう少しこのまま”とか言って甘えて、しかも自分と一緒にいたいって言ったんだぜ?


こんなシチュエーションで何もしないで耐えれる男子高校生がいたら、ぜひここに連れて来てくれってんだ。


「あ~~~~…やっちまったよコイツ……」


程よい長さの黒髪を掻きむしり、呆れ気味にため息をついている道。


「あ?オレが何をやっちまったって言うんだよ」


短気なオレが低めの声音で尋ねると、道は顔を上げた。


「統牙…そのキスマーク、お前にとっちゃあ大した事無いかもしれないけど……吹雪ちゃんは違うと思うぜ?オレ」
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