オオカミヤローに捕らわれて
吉良の方をチラッと見て伝えると、オレは自室へ向かって歩き出した。


右手でしっかりと女――――…吹雪の手を握って。


最初はギャンギャン喚いていた吹雪だったけど、その内抵抗するのをあきらめたらしい。


大人しくなりはしたが、またオレの家を見渡して小さく感想を呟いたりしていた。


「ハァ?この廊下どれ程長いのよ……徒競走出来そう」


「ここはグラウンドじゃないんですけど?吹雪ちゃん」


ニタニタとからかうと、吹雪が真っ赤になった。


おお…こういう所もあるんだ。


そうこうしている間に、オレの部屋に到着。
< 27 / 430 >

この作品をシェア

pagetop