オオカミヤローに捕らわれて
この女……吹雪の誕生日が終わった直後は大人しくしてたのに、最近またオレにつきまとい始めた。


あんだけ言ったのにまだオレに構うなんて、どうかしてる。


「安岡、オレはお前が作ったものなんか、一切食わねぇからな。絶対に」


最後に顔を青ざめさせている安岡を睨みつけると、オレは教室を出て運転手に電話をかけた。


数回のコール音の後、『ハイ。どうなさいました?統牙お坊ちゃま』と言う声が聞こえた。


「金上《かねがみ》、今から迎えに来い」


金上はオレや優牙の学校の送り迎えの大半を任されている、成見家のベテラン運転手。
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