オオカミヤローに捕らわれて

扉を開けて中に入ると、吹雪は左右だけじゃなく上下にも首を動かしまくる。


「あり得ない……私の部屋の何倍も広い………ここだけで皆で寝れそうなんだけど……」


口が開いて塞がらない吹雪を誘導して、ソファーに座らせた。


オレも真向かいのソファーに腰かける。


「「…………」」


お互いに数秒間沈黙してから、オレは喋った。


「さてと……分かってくれたかな？吹雪。オレがどんな人間なのか」


ビクリと上がる、吹雪の肩。


どうやらまだ成見家の息子のオレが自分の家に何かするんじゃないかと、不安がっている様だ。