オオカミヤローに捕らわれて
「オイ吹雪!ちょっと話があるんだけど…………」


いてもたってもいられなくなったオレは、部屋を飛び出して、吹雪の部屋の扉を開けた。


謝る側の人間なのに、こんな態度しかとれない自分が情けない。


当然中には吹雪がいると思っていたのに――――…アイツの姿は無かった。


「………ハッ?何だよ、コレ……」


吹雪だけ見当たらないんだったら、仕事中かもと家の中を探しにゆく。


しかし……部屋には吹雪が持って来た荷物、全てが見当たらなかった。


コップも、服も、何にも無い。


あるのはこの部屋に元々置いてあった家具だけだ。
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