オオカミヤローに捕らわれて
パッと頭に浮かんだのは、吹雪の無邪気な明るい笑顔。


オレの役目はあの笑顔を守る事だ。


このまま何も無かった事にするなんて、出来るワケが無い。


吹雪………


オレの前からいなくなるなんて、許さねぇからな……っ!!


「えっ!?ちょっと統牙様!?どこ行かれるんですかっ!?」


呆気に取られる吉良を残し、玄関まで全力で走る。


目を見開いて驚く執事やシェフを無視して、外に飛び出した。


出て行ったんなら、吹雪は自宅に帰ったハズ。


確か成見家から伊達家へは、歩いて行ける距離だ。


道順も、ちゃんと覚えてる。
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