オオカミヤローに捕らわれて
「クッソ!何やってんだオレはっ!!」


自分自身に悪態をついて、オレは伊達家に向かって走り出した。


吹雪ごめん。


オレガキの頃から、よく親父やお袋に言われて来たんだ。


『お前は将来成見グループをしょって立つ人間だ。大勢の社員の家庭を守るには、まず自分の身近な人を守れる力を付けなさい』


なのにオレは、お前1人ろくに守れなかった。


どれだけ苦しめて、どれだけ傷つけたかも分かってあげられない。


最低だと思われても仕方がないし、最悪な男だ。


でも……勝手にオレの目の前から、いなくならないでくれよっ!!
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