オオカミヤローに捕らわれて
黙ってオレと道のやり取りを見ていた伴路が、いきなり口を開く。


5日振り位に見た伴路は、ほんの少しだけ肌が黒くなっていた。


「何があったのかはよく分からないし、聞かないけど、お前あの子の事守れんの?」


「オイ伴路!?お前何を……」


焦った様子の道が遮ろうとするも、伴路は楽にやり過ごす。


そして今まで見た事も無い様な真っ直ぐな目で、オレを見つめた。


「守れないって言うんなら、家に行くなんて無責任な事するのやめろよ。きっと彼女も迷惑だろうから」


伴路のストレートな言葉は、オレの胸に直に響き渡った。
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