オオカミヤローに捕らわれて
オレと伴路をワタワタ見比べていた道も、手をグッとグーにして力説して来る。


昔から変わらない道の優しさに、笑みが零れた。


「サンキュー。行って来る!」


2人に別れを告げ、オレは再び走り出した。


道行く通行人をすり抜け、横断歩道が青になる時間も落ち着かない。


暫く走って、ようやく吹雪の家の近くまでたどり着いた。


「えっと……どの家だっけ?」


たどり着いたはいいけど、似た家が多く、パッと見じゃ分からなかった。


確か屋根は赤い屋根で、小さい花壇に色んな花が植えられた家だった。


どこだ………?
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