オオカミヤローに捕らわれて

私は頭をブンブンと横に振りまくって、“嫌だ”と表現。


もうこれ以上統牙と話してると、ダムが決壊しちゃいそうだった。


なんでこの人、うちに来たの？


せっかく………


“逃げて来た”


のに―――――…


何も話さず、唇を噛みしめている私を、統牙も無言で見つめ続ける。


息も出来ない位苦しくて、重い時間が流れた。


「…………ごめん」


先に沈黙を破ったのは、統牙だった。


「えっ………？」


い、今統牙……謝ったよね？


突然の出来事に、私は思わず統牙を思いっきり凝視してしまった。


聞き間違いかな？