オオカミヤローに捕らわれて
「成見家に帰って来い。幾ら何でもいきなりいなくなるなんて、卑怯だぞ」


統牙はグイッと私の手首を引っ張って、再び私を石の階段に座らせる。


そして私の両肩を、力強く掴んだ。


「もうオレ、お前が嫌がる事はしない。約束する。だから元々の期日の夏休み最終日まで、オレん家でメイド続けてくれないか?」


統牙の顔・声・雰囲気、全部がマジメ極まりなかった。


恐らく統牙は、本気で私が成見家に戻る事を望んでいる。


まさか帰って来いと言われるとは思ってなかった私は、ピキッとフリーズしてしまった。


ど…どうしよう…………
< 329 / 430 >

この作品をシェア

pagetop