オオカミヤローに捕らわれて
私の肩を掴んでいた統牙の手の力が、少しだけ強まった気がした。


「やっぱり………オレが嫌だ?こんなヤツには、仕えたくないか?」


「!!違っ……そうじゃないよ!!」


嫌になんてならない。


なるハズが無いんだ。


成見兄弟は兄の統牙も、弟の優牙様も、メイドや執事や運転手さん、成見邸で働く皆を大切にしてくれてる。


2人共立派なご主人様なんだから、嫌だなんてちっとも思ってない。


これは吉良さんや金上さん達も、感じてるハズだから。


「だったらどうして、帰れないだなんて言うんだよ……何か理由があるんだろう?」
< 332 / 430 >

この作品をシェア

pagetop