オオカミヤローに捕らわれて
先程までとは打って変わって弱々しくなったオレの勢い。


こんなオレを、吹雪はどう思ったんだろう。


呆れた?それとも哀れんだ?


どちらにせよ、両想いなら何が何でもコイツを傍におく。


イヤ……傍にいさせて欲しい。


それも伝えようと、口を開いた時だった。


「私……頭そんなに良く無いよ?」


両目いっぱいに涙を溜めた吹雪が、静かに語り出した。


「運動神経だって良くないし、得意な事って言ったら、家事位。オマケに騒がしい兄弟姉妹が4人もいるんだよ?それでも………いいの?」


不安気にオレを見上げる吹雪。
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