オオカミヤローに捕らわれて
“親”というワードを聞いた途端、吹雪がテーブルに両手をついて猛スピードで立ち上がった。


「や、やめて!お父さんとお母さんは私達兄弟を大切に育てて来てくれたの!!30万なんて大金払わせるなんて………余計な負担かけたくないのっ!!」


平常心を忘れると敬語が無くなるのが、コイツのクセ。


ハッと我に返った吹雪は、“すみません、取り乱して……”と呟き、ソファーに座り直した。


……こんな女……初めてだ。


オレの周りにはこういうタイプの女は、まずいない。


クラスの女子は皆、親はお金をくれて当たり前だと思ってる。
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