オオカミヤローに捕らわれて
「伴路様……花火大会の時は色々とお見苦しい所をお見せしまして、申し訳ありませんでした………」


あの時の事を思い出し、ペコペコ謝る私。


伴路様はそんな私を見て、小さい笑いを見せた。


「別に平気だって。てかオレも君に色々構って、迷惑かけたね」


「あ、イヤ……私が……」


「その遠慮がちな性格変わってないな。あの時と同じだ」


――――え?あの時?


「あの伴路様、“あの時”というのは、いつの事で…?」


伴路様が言う“あの時”がいつなのか分からず、素直に聞き返す。


返ってきた答えは、衝撃的なものだった。
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