オオカミヤローに捕らわれて
「やっぱり覚えてないか。オレ7才の時車に跳ねられそうになってさ。その時助けてくれたのが、君のお父さんだったんだよ」


「「「「ええっ!?」」」」


まさかの事実に、私も含めたその場にいた伴路様以外の4人全員がハモる。


当の本人は、普通に紅茶を飲み続けていた。


「幸いオレはかすり傷程度で助かって、その時お父さんの傍には君と、君のお兄さん・お姉さんがいた。掌擦ったオレに絆創膏くれたのが、当時6才の君だったんだよ、伊達さん」


伴路様の説明に、忘れていた記憶が蘇る。


そうだ……あれは、11年位前――――…
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