オオカミヤローに捕らわれて
「吹雪さんもお元気で!また遊びに来て下さいね!」


ちゃっかり握手を交わす吹雪と優牙に、オレのマユがピクリと上がる。


だけど今日で最後だし、許す事にした。


吹雪だって優牙の事実の弟みたいにかわいがってくれたし、いっか……


「伊達様、お荷物お預かりします」


荷物を詰め込み、オレ達は外まで出てきた優牙と吉良に向き直った。


「ありがとうございましたっ!」


「オレは帰って来るけどな」


丁寧にお辞儀をする吹雪の隣で、オレはスパッと言い放つ。


そしてついに、車は成見家を出発した。


「――――…」
< 389 / 430 >

この作品をシェア

pagetop