オオカミヤローに捕らわれて
私がメッ!と叱ると、統牙様はプーーッとふて腐れる。


「もういいもんだ!吉良のケチ!!」


「ケ……!?」


一体何歳ですか!?と聞きたくなる様な口調は、両親どちらの遺伝なのか、本気で聞きたかった。


ワガママで自由奔放、落ち着きが無くて、好き嫌いも激しい。


そんな困り者の統牙お坊ちゃまにも、優しい所があった。


「フーー…疲れたなぁ……」


その日私は疲れが溜まってて、ため息を吐きながらイスに座っていた。


そしたら向こうから統牙お坊ちゃまがトコトコやって来て、私の目の前でちっちゃいお手手をパーに。
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