オオカミヤローに捕らわれて
「ただいま兄さん。あーーいいニオイ……」


荷物を執事に預け、オレの真向かいに座ったのは、成見 優牙《なるみ ゆうが》。


オレの3つ下の弟で、オレが通ってる学校の中等部3年。


体が弱く弱々しい部分もあるけど、オレにとっちゃあカワイイ弟だ。


「どうだった?野外活動」


「うん、楽しかったよ!星空がキレイだった!」


テンション高く話す優牙は、オレとは真逆の名前の通り優しい心を持つ男。


そんな優牙は2~3日学校の夏休み中の野外活動――キャンプみたいなものに参加してて、今帰って来た。


だから朝飯2人分なワケだ。
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