恋猫
二の章 出会い茶屋の密会
武家屋敷が建ち並ぶ通りの右手方向少し離れた所に、小さな川が流れていた。その川には、小さな橋が架かっていた。
淳ノ介と篠の二人は、趣のある小さな橋を渡っていた。
橋を渡ると、川岸沿いに何軒もの店が建ち並んでいる。
出会い茶屋は、その一角にあった。
淳ノ介は出会い茶屋が近付くにつれて、心臓が激しく半鐘を鳴らしているのを感じていた。
(心臓がぱくぱく脈打って、今にも破裂しそうだ)
淳ノ介は心臓の高鳴りに喘いでいた。
篠は、早く二人きりになりたかった。そして、その一瞬を想像すると、胸が熱くぐらぐら沸騰するようだった。
二人が出会い茶屋に到着した。