ヴァージニティー
自分以外の男を夕子がさわるのはごめんだ。

だから自分から率先して樋口をふとんに寝かせてやったのだ。

「あたしたちもそろそろ」

そう言った夕子に、
「ああ」

朝人は返事をすると、リビングの電気を消して夕子と一緒に自室へと向かった。

「えっ、あっちゃん?」

夕子が驚いたように自分を見てきた。

当たり前だ。

朝人は自室ではなく、夕子の自室へ入ったのだから。

「続き、まだシてなかっただろ?」

朝人はそう言った後、
「――ちょっ……んっ」

夕子の唇をふさいだ。
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