ヴァージニティー
「――待って、樋口さんが…」

「当人はもう寝ているんだし、起きやしないよ」

「――もっ…あっちゃ…」

キスを繰り返しながら、朝人は夕子をベッドに押し倒した。

「“朝人”だってば。

いい加減、“あっちゃん”から卒業してよね?」

そう言った朝人に、
「――でも、あっちゃんはあっちゃんじゃない」

夕子に潤んだ目で見つめられて、反論された。

「俺は夕子にちゃんと“朝人”って呼んで欲しいな」

「もう、イジワル…」

「はいはい、夕子ちゃんはイジワルなのがいいんだね」

「違う、そんなんじゃ…あっ」

夕子の敏感なところに、自分の指を這わせた。
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