ヴァージニティー
夕子が樋口からの置き手紙を見ていたら、
「夕子?」

スーツ姿の朝人が声をかけてきた。

「すぐご飯作るから」

朝人に返事をすると、夕子はキッチンに向かった。


お昼になった。

「じゃあ、みんなキリのいいところで昼食にしてくれ」

社長が言った。

「んーっ」

夕子は仕事で固まってしまった躰を伸ばした。

やっとお昼である。

もう少し頑張って、今日も定時で帰ろう。

そう思った夕子に、
「鷹宮さん」

樋口に声をかけられた。
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