ヴァージニティー

2-3*裏切りの夜

午後8時。

夕子は樋口の宿泊先のホテルを訪ねた。

『今日は帰りが遅くなるね』

先ほど、朝人にメールを送信した。

『わかった、あんまり遅くなるなよ』

すぐに返ってきた朝人からのメールに、夕子は泣きそうになった。

コンコン

夕子は1021号室のドアをたたいた。

ガチャッと、夕子を待っていたと言うようにドアが開いた。

「どうぞ」

樋口が中に入るよう促したので、夕子は足を踏み入れた。

夕子が中に入ったことを確認すると、ドアが閉まった。
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