ヴァージニティー
「あ、あなた…何言って…」

「自分で服を脱いでくださいって言ったんですよ」

そう言った樋口に、夕子の躰が震えた。

「――わ、わかりました…」

夕子は返事をすると、自分の服に手をかけた。

同時に、夕子は強く目を閉じた。

(――あっちゃん…!)

震える手で、自分の服を脱ぐ。

こんなことは、朝人にされたことがなかった。

けど、守らないと行けない。

朝人も、彼と築きあげてきた関係も。

「ああ、キレイですね」

そう言った樋口の視線が肌にまとわりついて気持ち悪かった。
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