ヴァージニティー
夕子はショーツを脱ぎ捨てた。

「鷹宮さん、目を開けてください」

樋口に言われ、夕子はそっと目を開いた。

開いたとたん、彼のやらしい視線とぶつかった。

「こんな躰見て、欲情しないって方が間違ってますね。

しかも、あなたの弟さんが愛してる躰」

樋口が夕子に歩み寄ってきた。

伸びてきた手が、自分の腕に触れる。

朝人のものではない感触に、夕子は吐き気がした。

「――めちゃめちゃにしてやりたくなりますよ」

樋口が言い終わったのと同時に、
「――ッ!」

夕子の唇が重なった。
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