ヴァージニティー
セックスの時は“朝人”と名前で呼ぶのに対し、今は子供の頃から呼んでる“あっちゃん”。

寂しいと思うのと同時に、残酷だと朝人は思った。

でも、セックスの時は呼んでくれるからいいけど。

「ちょっと何笑ってんのよー」

そう言った夕子に、
「えっ?」

思わず、朝人は頬に手を当てた。

笑っていたなんて、無意識だった。

「あっちゃん、何考えてたの?

怪しい」

口ではそんなことを言う夕子だけど、顔は笑っている。

「えっと…夕子がかわいかったから、かな?」
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