ヴァージニティー
朝人は、今何をしてるのだろう。

自分の帰りを待っているだろうか?

他の男に、無理やり抱かれている自分の帰りを朝人は1人で待っているのかも知れない。

「――鷹宮さん…」

吐息混じりに、樋口に名前を呼ばれた。

「――うっ…ああっ!」

同時に、樋口の灼熱が夕子の躰の中を犯した。

朝人のじゃないそれに、夕子は涙を流した。

(――あっちゃん…)

樋口に犯される。

裏切りともとれる行為に、夕子は涙を流す。

「――ッ、はあっ…!」

樋口が夕子の中で限界に達したのがわかった。

彼との行為が終わっても、夕子はまだ涙を流していた。
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