ヴァージニティー
そう言った朝人に夕子は目を伏せると、コーヒーの入ったマグカップに口をつけた。

彼女は照れているのだ。

その様子がますますかわいくて、朝人はにやけそうになる顔をこらえるのが必死だ。

「じゃあ、今日の晩飯は俺が作る」

そう言った朝人に、
「ホント?」

夕子は聞き返した。

「夕子の好きなチーズ入りハンバーグ」

微笑みながら言った朝人に、
「ちゃんと帰るからね」

夕子は言った。

「わかった、それよりも時間は?」

朝人に言われ、夕子は思い出したように腕時計を見た。
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