ヴァージニティー

4-2*甘い時間

祖母を京都駅まで見送ると、夕子と朝人は観光に出かけた。

「ねえ、せっかくだし京都タワーに行かない?」

そう言った朝人に、
「うん、いいよ」

夕子は返事をした

堂々と手を繋いで、2人は京都タワーの展望台へとのぼって行った。

「懐かしいね。

あっちゃんが高校3年の時だっけ?

あたしに告白したの」

京都の景色を見下ろしながら、夕子が言った。

「就活で忙しかったから、よく覚えてる」

朝人は立ち止まると、京都の景色を見下ろした。

「この辺り、だったよね?」

そう言った夕子に、
「実は俺もあんまり覚えてないんだ…」

朝人は苦笑いを浮かべた。
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