ヴァージニティー
お湯に濡れた黒い髪の毛。

桜色に染まった肌。

夕子の全てが色っぽくて、仕方がない。

こんな姿を見せられて、我慢できないヤツがどこにいる?

(――俺だ…)

朝人は心の中で呟いた。

自分の躰が熱いのは、お湯のせいじゃない。

「夕子」

朝人は夕子の名前を呼ぶと、
「――んっ…」

彼女に近づいて、唇に触れるだけのキスをした。

それでも足りなくて、
「――あっ!」

夕子の首筋に自分の唇を落とした。

「――んっ、いやっ…。

あっちゃん、ダメェ…」

夕子の泣きそうな声も、自分をあおるのに充分だった。
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