文目剣術部【壱】
家に入るだけでも緊張したと言うのに更に追い打ちをかけるように詠の目の前に華宮の祖父《華宮進次郎(ハナミヤシンジロウ)》が笑顔で座っている
初対面だと言うのにずっと笑顔で普通に話しかけてくる華宮の祖父に「よく警戒しないでいられるな」と詠は疑問を抱きながら出されたお茶をコクリと飲んだ
「詠さんお待たせしました!剣道着です」
華宮は綺麗にたたんである剣道着を持って茶の間に戻って来た
「ありがとう」と詠は差し出された剣道着を受け取った
「やはり君も剣道部員だったか」
「え?」
詠は進次郎を見た