文目剣術部【壱】
「礼に始まり礼に終わる…剣道をしている者の心構え。詠君は家に入る時わざわざ門の前でも礼をして玄関でも挨拶をして礼をした…そして茶の間に案内されて足を踏み入れる前もその場で正座して挨拶をしてから深々礼をした」
「一般の人間でもさすがにそこまで礼をしたり挨拶したりする者はそうそう居らんだろ?」と進次郎は詠を見た
この人はすごく人を見ている…
詠は改めて進次郎の洞察力に驚いた
「それに詠君の瞳を見れば分かるよ剣道自体に対して何か別に強い思いがあるみたいな事とかね」
進次郎はニコリと笑みを見せた