文目剣術部【壱】

「結構広かったんだなこの体育館さ」

聞き慣れた声が俺しかいない静かな体育館に響いた

「香賀…」

制服に着替えた香賀が「よ!」と片手を上げて俺のいるステージの方へ歩いて来た

「まだ帰ってなかったのかよ」

「そういう詠だってまだ帰ってなかっただろ?だから俺もまだ帰ってなかったのよ~」

「何だそりゃ」と俺は苦笑いした

「とか言ってみたりして」

香賀もまた「あははっ」と爽やかに笑った



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