文目剣術部【壱】

「何故そう思うんだ?」とは聞かずに俺は視線を体育館の先に戻して静かに「あぁ」と頷いた

「…そっか」

香賀はステージに寝転んでしばらく黙った

俺もまた何も言わずにただただ前だけを見つめていた

多分今俺たちが考えている事は同じだろうなと思った

「「お前にだけは負けたくねぇ」」

ふいに呟いた言葉が香賀と重なった

それに気づいた香賀は立ち上がって俺を見た

俺もまた立ち上がって香賀を見た



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