文目剣術部【壱】
あれから俺たちは3年目の中学最後の夏を迎えた
最後の大会を前に追い込み練習を必死にやっている同じ剣道部員達を見ながら俺は主将としての重さを感じるようになっていった
先輩も一年前は今の俺と同じ気持ちだったのだろうか?
俺は主将として自分達を引っ張ってくれていた先輩の凄さを改めて知った
想像以上だった
竹刀を握る右手が震え出す
高鳴る鼓動
湧き上がる闘争心
『どちらが上か決着を付けよう皐月』
頭に浮かび上がるのは香賀の姿