文目剣術部【壱】
「何者でもありませんよ…見たまんま私は詠さんと同じ学校の女子生徒の1人の華宮文目です」
そう言って華宮は左手に持っていた竹刀を詠の目の前に出した
「竹刀握ってみませんか?」
…竹刀握ってみませんか?だと?詠は眉間にシワを寄せて握ってもいいのか?と自分に尋ねたが首を横に振った
「悪いけど断るよ…俺は二度と竹刀を握らないって決めたんだ」
「それはあの大会のせいですか?」
「別に大会のせいじゃねぇよ」
「では何故ですか?」
何度も質問してくる華宮に詠はイライラした
自分の過去に踏み込んで来て欲しくなかったからだ