文目剣術部【壱】

「確かにこの間の試合は散々だったかもしれない…しかしそれでもお前は前を見ていた」

「強く真っ直ぐに」と高笠は詠を見た

「それにどんな状況の中でもお前は絶対に逃げようとはしなかった…たとえ体が動かなくてもその場で出来る最善の事を必死にやって相手を必死に追いかけようとしていた…詠今すぐじゃなくて良い…少しづつで良いから自分を取り戻せ」

ドクンと詠の鼓動が唸った

「取り戻すんだ詠…乗り越えろ!」

高笠の強い瞳が真っ直ぐ詠を見つめる

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