想い綴り
春だから
木々から溢れる眩い光に誘われて
見上げれば一面に桜色の空。
散りゆく花びらが
頬をそっと優しく撫でた。
窓から見えるキャンパスには
初々しさいっぱいの新入生。
着なれないスーツに身を纏い、ちょっと照れくさそうな笑顔。
そんなフレッシュ100%な姿を
「うっは~♪今年はレベル高け~」
「おい、あれ見てみろよ♪あの足はヤバイっしょ」
…なんて
鼻の下伸びっぱなしで眺めてるのは
すでに
フレッシュな欠片もない3年なりたての経済学部男子。
まぁ、嬉し恥ずかし新歓コンパやら
上手くすれば恋もゲットなサークル活動
春にはドキドキなサプライズ盛りだくさんだから、浮かれ飛ぶのも分からんでもない。
でも
「なぁ、淳也~…ってお前、ゲームしてる場合じゃね~って」
「あ~?ん~…」
そんな中、一人ケータイゲームに夢中なのは
俺、白城淳也
身長 178cm
中肉中背
顔-それなりに女にはウケよし。
「お前、ちょっと行ってメアド聞いてこいよ」
「はぁ?なんで俺が」
「何でって、お前、女大好きじゃん」
いや
好きですよ?
そりゃあ大好物です。
三度の飯より大好きです
でも
「あ~、悪いムリ」
そんな俺には
みんなみたいに、ピッチピチ新入生に騒げない理由あり。
それは…