想い綴り
「……あ……あの…白城く……」
ざわつく教室の中
微かに聞こえるのは
耳を済まさなきゃ周りの騒音にかき消されてしまいそうなほど
小さくか細い弱い声
その声を辿る先に見えるのは、オドオドと入口から顔を覗かせる女のコ
「…なにあのマメみたいの」
「アレだろ?国文科首席のガリ勉、唐沢亜衣」
「へ~っ…ってか、地味っ!!あんな地味子がなんで淳也に?」
まぁ…
周りの連中が
別の意味で騒ぐのも仕方ない
女子大生と耳にして思い浮かぶのは
綺麗で可愛くて…
そんな華やかなイメージ。
でも
目の前に見えるコイツは
そんなイメージを根底から覆すほどのある意味レアキャラ
あからさまなノーメイク。
ただ後ろでくくったボサあたま。
そして
色気なんて全く感じないダボダボのパーカーに、ただのジーンズ。
これだけ
合コンだなんだって騒いでる中、ここまで逸脱してるのは
たぶん
コイツくらい
「で、淳也がなんであんなのと…?」
それには
深い訳がある
それは……