想い綴り

ずれた目隠し










“もって1週間”









電話なし
メールもなし


休みだからって
出掛けたりなんてするつもりも全くなし




朝と帰り
駅から大学までの800メートルを

ただ話すわけなく隣で歩くだけ






こんな付き合い

いや、
付き合いだなんて呼べないようなのには、いくらアイツでもさすがに嫌気さすだろう







仲間連中も
もちろん俺も

そんな風に
思ってた











「なぁ、まだ続いてんの?」








講義の合間

あいかわらず
オドオドしながらも教教室を覗く唐沢




ヒマをもて余してる連中にとって

それはおもしろいネタになってた











「意外に根性あるよな~マメ子」


「淳也とのエッチが忘れられないの~っとか?」


「つか、淳也に責任取れっていいたいんじゃね?」


「こっわ~っ」










口から飛び出るのは からかい半分なこんな言葉ばかり









きっと
直接じゃないにしろ
アイツの耳にも届いてんだろうな~







なのに
アイツ、それでもこの時間になると、何もなかったような顔して

教室を覗いていく







素直?

それとも従順?






どっちにしろ
マジメな付き合いとかしたことない俺にとっては

若干、目障り



どっからどうみても男とつきあったこともないような女。

すること全てが重そうで、俺には荷が重すぎるのが本音。



向こうだって
楽しかないだろうに…







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