想い綴り







「そう思うならちゃんと振りゃあいいだろ」










昼休みの食堂。

学食名物の特大カツカレーにむさぼりつきながら

俺のため息にクレームつけるのは同じゼミの牧田涼太。



高校からの同級生で、休みの日にもよく俺んちに遊びに来る超暇人。








「振れって言ったって…お前、先輩のパンチどんだけかわかってんのかよ」



「じゃあちゃんと付き合えば?」









昔からそう

頭が堅いっていうか…

コイツに適当は通用しない








「…じゃあお前、あんなんと付き合えんのかよ」


「…俺コクられてねぇし」








常にすっぴんだぞ?
色気もないし暗いんだぞ?




どうせアレだろ?

他人事だと思って面白がってるだけじゃねぇか








「じゃあコクられたら付き合うのかよ」





出来もしねぇくせに 勝手いってんじゃねぇよ


そう思って投げつけた俺の言葉

でも
返ってきたのは









「俺、ぜんぜんいけるけど?」






予想もしない
そんな言葉。








「マジで?あんなマメ地味だぞ!?」


「別に…大人しいだけじゃん」







いや
確かに大人しいけど…

でも…
普通あり得ないだろ







「涼太…お前の趣味わかんねぇ」








どう考えても
あんなつまんない女選ばないだろ


そう思ってた俺を見て涼太がフッと口元を緩めた












「…お前、なんも見えてねぇのな」













って…

なにが?







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