想い綴り
「ね~伊吹っ!!今日、千穂達がカラオケ行こ~って」
「真奈美…わりぃ俺パス」
「え~!?なんか…最近、付き合い悪~い」
時折見かけたそんな2人のやり取り
若杉との秘密が増えるたびに、胸の奥に罪悪感がいっぱい。
「…いいの?」
「なにが?」
「だから、真奈美チャン…」
いつの間にか2人の秘密の場所になった図書館の奥
あたしを膝の間に座らせて、抱き締めたまま肩に頭を乗せてる若杉。
大切に包み込む腕が優しくなるほど…
胸に育つ思いが切なくなる。
「…そんなに真奈美が怖い?ならやめる?」
いつもそう。
あたしが真奈美チャンを気にするたびに不機嫌な顔して
…すぐそうやって意地悪な事言う。
こんな風にしたのは若杉自身なのに。
…ズルいよ…
「……うん…もう、やめ………んっ…」
「…そんな顔しといて…離れるなんて言うなよ」
だって…
どんどん好きになるんだもん…
この恋はダメなのに…
人を…
真奈美チャンを傷つけてるのに…
それなのに
「…そばにいろよ…かなえ…」
彼しか…
若杉しか…
見えなくなりそうな自分…
溢れそうで
怖くなる