想い綴り
「………え……」
次の日
俺が立ってるのは
講義終了の英文科のクラス前
女子が八割の学科だからか、扉の横にいるだけで
すでに何事かとギャラリーがズラズラ
そして
そんな俺の目の前で出来損ないのパソみたいにフリーズこいてるのは
あいかわらずダサいカッコで口をポッカリ開いてる唐沢。
「……なんだよ」
「あっ?……あっ…誰か…友達待って……」
「…英文にダチなんていねぇし」
「…あ…うん…ごめんなさい…………」
目の前の唐沢は
俺がここにいることにびっくりしたままで、いつものオドオド
…つか
見た目はどうしようもないとして
このオドオドすんのなんとかならんのか
別に
悪いことしてねぇんだからよ~
つか…
自分に用事とか思わねぇわけ?
仮にも
彼氏が来たんだっつ~のに
はぁ…と
1つため息漏らす俺
すると唐沢の表情が一瞬強ばった
「あの……あ、あたし…行くから……じゃあ…」
ペコッと
頭を下げると
うつむいたまますり抜けていこうとする横顔
……って、
「おっおいっ」
通り過ぎようとした手を取ると、小さな身体がビクッと跳ねた。
目の前に映るのはまるで怯えたように見上げる瞳
そして
折れそうな程に細い小さな手
…もしかして
コイツがオドオドするのって俺の…
掴んだ手をゆっくりとほどくと
強ばっていた表情が驚いてる顔に変わった
「……白城く…?」
「どこいくの」
「え………あっ、…えと……と…図書…室……」
俺…
もしかしたら
真正面からコイツを見たの
初めてかもしれない
「じゃあ…」
唐沢の小さな一歩に
連れ添うように踏み出す俺の足
「…白城…く…?」
「行んだろ?ほら、さっさとしろよ」
「え……あ…うん…」
今までしなかった
俺の行動
唐沢はずっと…
驚いたままだった