想い綴り










別に…
こんなの

涼太のあの態度に
ムカついたから




コイツは涼太が言うほどじゃないって、確かめてやろうと思っただけ






だから…
隣で戸惑ってる横顔に


儚げな細い腕とか、怯えたような目とかに

ちょっと悪かったなとか…

そんなんじゃない


























しん…と
静かな空間に微かに聴こえるオルゴール

ちらほらと見える学生の姿







図書室なんて…

入学してから今まで入ったことなんかなかった






「手荷物……ロッカーあるから…」









さっさと窓際の席に腰を降ろす俺。


唐沢はどうしていいか困ってるみたいに

荷物を抱えたまま
ずっと目を泳がせてた












「?、勉強すんじゃねぇの?座れば?」


「あ…えと…あたしは…ちょっと…」














……なんだよ
それ……





俺、仮にもお前の男だろ~が


隣にすわんのも嫌なのかよ


だったら
さっさと別れるって言やあいいじゃん






…なんだよ

唐沢ジミコのクセに















「…っそ。邪魔して悪かったな」















ガンと
座ってた椅子を勢いよくしまいこんで

いらだち半分に
カバンを掴む俺



さっさと出入口の扉をくぐろうとした、その時








「…っ…あのっ…」





くん…と
後ろから俺のシャツを掴んだ








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