想い綴り
こんな自分
ちょっと前なら予想さえ出来なかった。
すぐうつ向いて
誰とも上手く話せない唐沢が
俺の前では
嬉しそうに笑い
俺の言葉に膨れたり 、落ち込んだり
いろんな表情を見せて
ホント、
ただ隣で目を細めて笑う。
楽しいって顔で
そんな気持ちを
肌で感じるなんて
たぶん
今までに一度もなくて
コイツがいなかったら
きっと…
ずっと知らないままだった。
今こうして
俺のとなりにいるから
だから
気が付けた
そう思うとさ、
あの日のことも、間違いなんかじゃないんじゃないかって…
きっと
こんなこと言ったら
連中に驚かれるだろうな
“淳也がおかしくなったっ”て
でも
「…なにか…いいことあった?」
「え、なんで?」
「なんか…機嫌いい」
チラッと見下ろすとにっこりと微笑む柔らかい視線。
「ん?ん~…ちょっとな」
…もう別にそれでもいっかって
そう思うんだ
コイツとなら
…亜衣がいるなら
今までとは違う俺になれる気がする
でも…
俺はまだ
気付いてなかった。
ただ
変わっていくそんな自分が嬉しくて
隣にわらう姿が愛しくて
そう思えるのが
新鮮で…
ちょっと前までの
自分が
のちのち
自分の首を絞めていくなんて
そんなことに
まだ
…気付いてなかったんだ