想い綴り
会いたい
会いたくない
…合わせる顔なんてどこにもない
でも
だけど…
………会いたい
一日中ずっと
そんな気持ちが
堂々巡り
周りから聞こえる連中の声なんて、
留まりもせず
ただ素通りする毎日
何を見ても
何を聞いても
ポッカリと空いた穴は埋まらない
こんな自分…
はじめてだった
「…まだ凹んでんの?」
講義終了の教室。
ただぼんやりと帰っていく学生の波を見てた俺。
そんな俺に声を掛けたのは、ため息まじりの涼太。
「……あいつらは?」
「なんか用事だって。奴ら、ぼやいてたぜ?淳也、構ってくれねぇって」
「ははっ…構ってって、ちっちゃい子かよ」
手渡されたコーヒーに口つけて軽く笑って
でも
なんにも気持ちが動かない
別に……
前の自分に戻っただけ
変わったことなんて何もない
仲間だっていつもどおりだし…
なのに
笑えない
…楽しくない
つか、前の俺…
どんなんだったっけ
思い出せない…
「……はぁ…」
窓越しにもたれて
溢れるのは、深い深い大きなため息
そんな俺に
降ってきたのは
「会いに行けば?」
つぶやくようなそんな言葉。
うなだれる俺に、何がそんなに難しいんだ?って言わんばかりの顔で
カラになった空き缶を手のひらで転がしていた
「···どんなツラしていけってよ」
もしかしたら、あいつだって
もう俺の顔も見たくないって思ってるかもしれないのに
謝ったって…
前みたいには話してくれないかもしれないじゃん
「いいんだ。もう····仕方ねえし···」
自分がしてきたことは、
どうやってもなかったことになんてできない
ガンっと机を蹴っ飛ばして
また大きくためいきをついた
その時だった