想い綴り
どんだけ
都合いいんだって
きっと思われてるよな
あの日から
謝りにも行かなかったのに
アレは
勢いだとかただのなりゆきだとか散々言ってたのに
なのに
こんな独占宣言
俺、あとで完璧に振られるかも
でも
「…てめぇ…ら何のつもりだ?」
コイツを傷付ける奴は絶対許さん
亜依を取り囲む連中を睨み付けて
すでに戦闘体制
でも
そんな俺を前に
連中の口から飛び出したのは
「なんだよ、仲直りしてんじゃん」
場にそぐわない
そんな言葉
「…は?」
「ん?あれ、違うの?」
違うの…って?
つか
仲直り……?
状況がぜんぜん飲み込めてない俺に
連中のボケた顔
腕の中にいる亜依までも、目を丸くしたままだった
「…お前ら…亜依になんか嫌がらせしてんじゃ…」
「は!?んなことすっかよアホか」
じゃあ、コレは…?
「いや、涼太がよ~、唐沢と別れたせいで淳也が落ち込んだって言うから
だから俺らが勝手に話を盛り上げてただけで、実際は違うんだって説明してたんだけど…」
「は?…だって…涼太が…」
…って
あれ…?
おそるおそる
さっきいた教室を見上げると
そこに見えたのは
ニヤニヤと笑いながら手を振る涼太の姿。
…もしかして俺
思いっきり乗せられた?
「きゃっ!?え、白城く…?」
緊迫感100%だった分、脱力感マックス
ガクンと体から力が抜けて、その場にしゃがみこむ俺
亜依は何が起きたかわからないみたいに慌てて俺を覗き込んでいた
「まぁ?仲直りしてんなら別にいいわ。俺らこれからコンパだから。んじゃな」
ゾロゾロと
消えていく連中
「はぁ…とりあえず…何もなくて良かった」
そう思いながら
まっすぐに視線を合わせる亜依に
また
心臓の音が速くなるのを感じた