想い綴り






『真奈美と付き合ってもねぇ…』








今にもつかみ合いになりそうなこの場に

降ってきた若杉からの思いがけない言葉。





その言葉に、
あたしも他の女の子たちも固まったままだった。










…付き合って…ない
って…



え……?
どういう…


あたし…浮気…?






若杉の言葉
あれが本当なら…


浮気…じゃなかったってこと…?










全く機能しない頭。

何が何だか分からないあたし。

そんなあたしのすぐ横から聞こえて来たのは、









「…真奈美…俺、ずいぶん前に断ったよな?それなのに…何、この騒ぎ」






低い声が更に下がった機嫌悪そうな若杉の声。










…断った…って



本当に…付き合ってないの…?










全然状況が飲み込めてないのは…

たぶんあたしだけじゃなくて。


真奈美チャンの友だちもどうしていいか分からずに、

真奈美チャンの方へと視線を向けた。







たくさんの視線が一点を集中する中…

泣きそうな真奈美チャンの口から飛び出したのは












「…っ…ごめんなさいっ!!あたし…本当はずっと前に振られたの…


だけど…伊吹、変わらずに優しいし…

…周りの子達が、付き合ってるって騒いでたら…

そのうち好きになってくれるんじゃないかって…

ごめんなさい…」











泣き声が混ざった…
そんな言葉だった。





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