想い綴り
懐かしくて愛しいぬくもり…
もう2度とはなしたくない
抱きしめる腕にギュッと腕を絡めると
目を細めた優しい笑顔が見えた。
「カンナ…月に願い事するならなに願う?」
耳元に届いたのは
昔と変わらないあの言葉
ゆっくり見上げた先には
あの頃みたいな笑顔と、淡く光るまあるい月
「…願い事は流れ星にでしょ?」
「願う前に消えちゃうじゃん。なあ、なに願う?」
…ほんと、何も変わらない
だから
「一緒にいたい…竜希と…幸せになりたい」
あなたがいてくれる
それだけで十分…
「…それ叶えんの…月じゃねぇよ」
だったら…
ねぇ?
もう一度…
もう忘れてしまわないようにちゃんと教えて?
「…そばで幸せにすんのは俺…だろ?」
それはたぶん
この先もずっと…
とけることのない…
魔法の言葉
END